「開かれた はえばるの広場」 沖縄県看護協会研修センタープロポーザルコンペ
このコンペは、沖縄県の新たな看護士活動の拠点となる研修センターを計画するというものです。
看護協会・ナースセンター・訪問介護事業の3つの事業主体の活動拠点として600人が集まる研修室をもつこと、研修の際に必要な200台の駐車台数の確保などが求められました。
中央に移動間仕切壁、ロールバックチェアスタンド(移動観覧席)、スタッキングチェアなどで最大限のフレキシビリティを確保した研修室を置き、その回りにひとつながりの事務空間を連続的に配置し、固定的な壁や柱を極力なくすことで将来的な変化にも対応でき、主要な機能をワンフロアに集約し、相互の連携や交流が容易になる計画としました。
[概要]
敷地面積:4,950m2 建築面積:2,382m2 延べ床面積:2,882m2 槻岡佑三子氏・しかのやすし氏と共同設計
敷地は緑豊かな場所であり、敷地高低差を活かし低層とし、周辺環境に配慮・呼応するよう、敷地境界から弧を描くようにセットバックしたフットプリントにしています。
中央に様々な利用形態が可能な最大600人収容の研修室、それを囲むように事務空間、図書室、喫茶などの福利厚生、ロビーなどを配置しています。広く県民にも開かれ、大災害等非常時に支援活動の拠点にもなるワンフロア空間です。
5000m2の敷地面積に200台という駐車台数を収めるため、敷地の高低差を活かし、地階120台、1階30台、屋上50台の駐車場を確保しています。主要な機能が配置される1Fに職員用駐車場30台分を確保し、各機能へのアクセスを容易にし利便性を図るとともに、必要に応じてタイムシェアリングなどの要求にも応えられるようにしています。
屋上には誰でも利用可能な屋上庭園を配置しています。屋上は北側道路レベルにあるので、直接屋上庭園にアプローチ出来るルートを計画しました。
明るく開放的な屋上には、小児デイケア、会議室、控室、休憩ロビーなどを配置しアメニティに配慮したデザインとしています。屋上へ車で直接上がって来れることで、小児デイケアや療養型通所介護の利便性も高くなります。
外壁を二重構造にし、屋上緑化をすることで熱負荷を軽減しています。二重構造の外壁は採光や通風を制御し、周辺に圧迫感を与えないような柔らかいデザインを目指しました。この二重構造の間の空間は交流空間につながるテラスになり、外から中の活動が感じられます。