手元に、見に行った芝居や展覧会のチラシや入場券をファイルしたものが1980年から今まで何冊も残っています。その最初にあるのが、1980年の状況劇場「鉛の心臓」の変形のチラシです。
前回書いた「唐版 犬狼都市」の衝撃から、二度とテントなど見に行くか、と思っており、その後2回の公演があったが、行かなかった。しかし一年過ぎてみると、あの訳の分からなさがどうしても気になって、今度は学生で時間がある、という特権を利用して一桁台の整理番号を得て、最前列に陣取って見て、その場で虜になったのが「鉛の心臓」である。今は国技館の建つ両国の貨物駅跡地でのラストシーンは今でも忘れられない。竹馬に乗った小人と女・主人公のつばめがずぅーっと向こうまで、本当に向こうまで去って行く姿が。
この芝居で後の新宿梁山泊の座長・金守珍を知る。
余談だが、このファイルの続くホルダーに挟まっているチラシたちは凄い。
森下愛子と渡辺えり子の「少女仮面」
68/71の「阿部定の犬」
本多劇場の杮落し公演・緑魔子と柄本明の「秘密の花園」
天井桟敷「レミング」と続き
その間に花園神社での「二都物語」「新・二都物語」の連続公演が挟まっている。かろうじて小劇場運動の第1世代に間に合ったのであった。