敷地は旧軽井沢銀座を越し、三笠通りをすこし北に進み山間に入ったところに位置します。
10m程の高低差がある急勾配の斜面と、造成された様子の平地、という二つの性格を持った敷地でした。一番高いところにある道路と、遊んだりバーベキューができる平地とを結ぶように、建物を配置しました。斜面にある個室からはいろいろなレベルで樹木が見え、個室と個室の間の浴室やリビング・ダイニングは開放的にして、外の環境を身近に感じられるようにしています。この配置にすることで樹木の伐採も最小限ですみました。
2002年 撮影・新 良太氏
[ キーワード ]
斜面・屋根付テラス・開放的な浴槽・薪ストーブ・スキップフロアー・自然素材
[ 概要 ]
構造・木造在来工法 規模・地上1階 敷地面積・1,354.95m2(409.9坪) 延床面積・121.27m2(36.7坪) 用途地域・第1種低層住居専用地域
敷地の一番高いところにある来客用エントランスとカーポートです。ここからは建物は全く見えません。
道から建物全景を見下ろしたところです。落差は約10mで、3階分高低差があります。
裏側から見た全景です。建物が上にある道と下にある平地を繋いでいるのが良くわかります。
正面からの全景です。上からエントランス。斜めの茶色い壁に窓が空いているところが個室。その間のグレーの小さな出っ張りが浴室。平らなところのオープンな部分がリビング・ダイニング。その左の茶色いところが和室です。
一番下の平地から全体を見上げています。今は芝生や草木に覆われています。
平地部分の正面外観です。軽井沢は地面からの湿気があるので、床は地面から離して作ります。
リビング・ダイニングに繋がるテラス。夏の軽井沢は気温が低くテラスが過ごしやすい空間になるのですが、雨も多く庇が必要です。あまり大きい庇をつけると、テラスに続くリビングが暗くなるので、ここでは透明の庇をつけました。
玄関を入ったところから階段を見下ろしています。3階分の高低差を繋いでいて、左側に個室や洋室が並び、右側の壁は屋根とは縁を切り、プライバシーを守りつつ、外への広がりを感じられるようにしています。
個室と個室に挿まれた浴室と洗面、トイレです。オープンな空間になっています。トイレは個室になったものがもう一つ有ります。
ダイニングからリビング、和室を見ています。正面には薪ストーブ。外部のテラスと連続し、外の景色が室内に飛び込んでくるよう計画しています。
個室です。全ての個室の窓はきれいに外の景色が切り取れるようはめ殺し窓にし、通気は窓の下の換気開口を開けるようにしています。壁は下地に使うラーチ合板にオスモの葺き取りです。