8:00前に起きだし、9:15大和町を出て、事務所へ。
昨晩から明け方雨が降って、今日もそれほど暑くない。
10:00からスタッフ応募者の面接。
11:00前終了。
また空が暗くなり、雨が降り出して来た。
段々強くなり、しばらく事務所で雑務をしていたら、20分程で空が明るくなって来たので、事務所を出て、阿佐ヶ谷で買い物をして大和町に戻る。
「季節のない街」山本周五郎著読了。
あとがきから
「私がこれらの人たちに。もっとも人間らしい人間性を感ずるのは、その日のかてを得るため、いつもぎりぎりの生活に追われているから、虚飾で人の眼をくらましたり自分を偽ったりする暇も金もない、ありのままの自分をさらけだしている、というところにあると思う、ーもちろん、豊かな生活をしている人たちと同様、かれらにも虚栄心があり、みえもあり、嫉妬や誹謗や貪欲などもある。しかしそれらは、いかにも底が浅く単純なので、すぐにみすかされてしまうし、逆効果をまねく場合が多いようで、そんなところにも人間の弱さやかなしさが素直にあらわれるのである。
(中略)
これらの人たちは過去のものであるが、現在もなお、読者のすぐ身ぢかにあって、同じような失意や絶望、悲しみや諦めに日を送っている人たちがある、ということを訴えたいのである。
それゆえに「ここには時限もなく地理的時限もない」ということを記しておきたい。それは年代も場所も一定ではないのである。ではなぜこの「街」という設定をしたかというと、年代も場所も違い、社会状態も違う条件でありながら、ここに登場する人たちや、その人たちの経験する悲喜劇に、きわめて普遍的な相似生ががあるからであった。」
開高健の解説も良いが、最後のごく一部だけ。
「日本人は農村からでてきたのだ。われわれは農民なのだ。作者は深くそういう認識を抱いていたのではあるまえかと思わせられます。」