8:00前に事務所。
天気も良く、暑くなるようだ。
昨日メモした、KIHの気になる項目を確認し、書き出す。
9:10過ぎに事務所を出て、「多木浩二と建築」の関わる、「代田の町家」の見学会へ向かう。
今日は乗り換えで、下北沢駅の小田急線の地下ホームを利用。
ずいぶん深く掘ったものだ。
10:00に現地につくと、既にかなりの数の方がみえている。
受付を済ませて、中に入る。
メインのリビング・ダイニングには坂本一成さんがいて、この家について説明をしている。
話しを聞きながら空間を味わう。
話しが途切れたので、せっかくなので二つばかり質問をする。
ゆっくり、サイズなどを確認しながら、中を拝見して行く。
次に中庭に出て、再び外を見て、そろそろ時間だな、と思っていたら、リビングで坂本さんが話しをしてる様子なので、リビングへ。
建築のプログラムに依る各スペースの大きさと、家全体の大きさの統合についての話しや、切り妻についてはなしなど、読むよりも、その場所で話される内容はとても拡がりを感じ、しみ入って来る。
予定時間を押して、11:20終了。
三々五々と帰路につき始める。
設計者の空間を統合する意志が、空間そのものから感じられた。
良く作られている、と言うより、そのようになっている空間だ、と言うのか。
無機的な床壁天井が、有機的なものになっている、とても魅力溢れる家で、とても勇気をもらった。
住宅のオープンハウスでこんなに長い充実した時間を持てたのは、初めての経験だった。
その脚で、竹橋の国立近代美術館の「フランシス・ベーコン展」へ。
最初は予定していなかったが、昨日の番組押されて、会期もなかったので。
延長しているスタジオ・ムンバイの「夏の家」も同会期なので。
ベーコン展には、土方巽の舞踏映像や、フォーサイスのダンス・インスタレーションも展示されており、身体性や動きなどのイメージの手助けをしてくれる。
ここにある身体を真摯に受け止めようとする探求が、非常に気品のある絵画に表現されている。
絵の中には、空間を表すようなパースの線や円が描かれていて、建築的にも興味深い。
そのチケットで見る事出来る、「東京オリンピック1964 デザインプロジェクト」(これも懐かしく、貴重な資料だ)や、昨年リニューアルされた「MOMATコレクション」の展示を駆け足で見る。
後者では、藤田嗣治の戦争画2枚が展示されており、その想像以上の暗さに圧倒される。
是非本物が見てみたい、と思っていた絵画なので、巡り合えて良かった。
もうひとつ面白かったのは、谷口吉郎設計の会館当初はスキップフロアーで吹き抜けがあったが、改修の際に、耐震的な部分でこのスキップフロアーと吹き抜けがなくなったのを、空間的に体験できる部屋(と言っても想像を豊かにしないと、なんだこの部屋、で終わってしまうが)が出来たこと。
昔から、階段を上り下りするたびに、この美術館の階高はどのようになっているのか、不思議に思って来たが、ようやく分かった。
スタジオ・ムンバイの「夏の家」も座ったりしてみたが、「代田の町家」と「フランシス・ベーコン展」の二つを見た後だったので、南の気分になれず、そそくさと去る。
一度事務所に戻り、来ていたスタッフに、KIHの確認事項を指示し、再び15:30、事務所を出て武蔵野大学へ。
16:20から建築施工法の授業。
17:30過ぎ終了。