ゆっくり8:30に起き出す。
届いた荷物を開封したり、日曜美術館を見たりして、チェ・ミキと14:00前に大和町を出て、上野の東京文化会館へ向かう。
秋晴れで上野の公園口は沢山の人で一杯。
小ホールのTOKYO プラチナ・シリーズ 第2回「秋吉敏子」へ向かう。
東京文化会館のエントランスホールは昔から好きな空間だが、この視線が通るエントランスには今日の天気は最適で、気持ちがよい。
まるで外の延長のようだ。
周りの環境と大きさがうまい具合に響きあい、人の流れが感じられ、これから体験する公演への期待感が高まる。
日比谷の日生劇場も同様な感じがして好きな空間だが、こちらの方が開放感がる。
大ホールはずいぶん昔何度か来た事があるが、小ホールは初めて。
小ホールへ向かうスロープがさらに高揚感を高める。
しかし、このスロープの勾配は少々きつくないか、と思うが、たいした問題ではない。
ホールホワイエは沢山の人。
ホワイエを少し観察して、早速ホール内へ。
内部も音楽ホールだけあって気積が大きく、コンクリートが施工された時代を感じさせる適度な荒々しさで、清々しい。
ホール中央の通路では、秋吉さんのパートナーのルー・タバキンさんが何人もの方と挨拶をしている。
15:00開演。
秋吉さんのタイトル曲と行っても良い「ロング・イエロー・ロード」から始まる。
この曲のイントロを聴いたところで、胸が高まり目頭が熱くなる。
ニューヨークに単身渡った頃の話しなどを時々挟みながら、熱い演奏が続く。
途中休憩を挟んで、演奏の最後に必ずやるという曲「Hiroshima」の中の「Hope」と言う美しい自作で締めくくるも、愛嬌のある秋吉さんは最後の曲の説明の際に、「とは言っても、まだそのあともあるのですけど」と言って皆を和ませる。
「Hope」の後、ルーさんがフルートを片手に登壇し、美智子妃殿下のために書いた曲を二人で演奏。
最後に1974年に発表された最初のビックバンドのアルバムのタイトル曲「孤軍」の演奏で17:00終了。
密度の高い、サプライズのある、ホスピタリティの高いコンサートだった。
建物を出ると、西陽が気持ちよい。
高円寺に戻り、よくテイクアウトしてはいるが、お店には行っていなかった、「天すけ」へ。
17:30に着くとお一人しか並んでなかったので、これは確実に入れると、店の前に椅子に腰掛けて待つ。
グルメではまったくないので、待ってまで店に入る事は普段しないが、久しぶりにご主人に会えるのならば、と。
いつもチェ・ミキがテイクアウトを取りに伺うと、「大塚さんはお元気ですか」と言ってくれるのを聞いていたが、天すけさんが以前にも増して人気店になり、並ばなくては入れなくなっているのも聞いていたので、躊躇していた。
18:00開店し、お店の中に。
ご主人に久しぶりのご挨拶をして、以前より若くなったようで、きりっとしている。
久しぶりの天すけさんの揚げたての天ぷらはもちろん絶品。
かぼちゃのホクホクさなど溜まらない。
ついついお酒も食事も進み、お腹いっぱい。
チェ・ミキと先ほどのコンサートの話しを。
秋吉さんさん達はこと音楽に関しては、自分が表現したいことをよく考えてそれを優先するために、それ以外の事はやらないのだろう。
それに比べて我々はあまりに俗っぽいよな、と反省しつつも、美味しい天ぷらとコンサートの余韻でおおいによい気持ちになった。